◆ 勝利への道(22) 
                  

        習志野バプテスト教会週報 
        二〇〇一年二月一八日号 
        ▽キリストにある復活の勝利

 よろこびを持つ人と持たない人のちがいは何だろうかと考えてきたこのシリーズも終章に近づいた。

 食べ物、着る物、持ち物が豊かであれば幸福かというと必ずしもそうではないことは現在の日本人を見ればわかることだ。日本の生活水準よりも一〇年あるいは二〇年おくれている国の人が不幸かというとそうも言えない。ロビンソン・クルーソーのような生き方を楽しむ人もいるわけだから。

 物でなければ者だろうか。人間のあつまりにはいろいろなタイプの人がいる。「あの人がいるから会合はいつも明るくて楽しい」といわれる人もあれば「あの人が来るなら私は帰る」と敬遠される人もある。物も者も外的な要因である。

 使徒パウロは勝利の秘訣を勝利者イエス・キリストとの同一性に見いだした。キリストと一体とされることによってキリストの限りない生命の力をいただくのだ。自分自身の満足を追い求める人は 欲求不満と隣り合わせである。なぜなら、人の心は移り気であり、とらえようのないものだからだ。

心はすべてのものよりも偽るものにして甚だ悪し。誰かこれを知るをえんや。
   (エレミヤ記一七章九節)

 フロイトの功績は「自我(エゴ)」の発想といわれるが、精神分析学者は心の病いをなおすことが出来ないのは周知の通りだ。自我は人間の肉の働きと結びついて神への反抗を強くする、なおさら、心の平安から遠のいてしまう。罪の問題を解決しないかぎり、勝利の鍵を手にすることは出来ない。

 列王記略上二一章にはイスラエルのアハブ王が自分の思い通りにならなかったブドウ園のことでどんなに憂えたかということが描かれている。

 ピリピ書四章一一節にもどってみよう。ここにおけるパウロの満足は、ギリシャ語で二つの言葉で成り立っている。「自分」と「充足」という語の結合で、「どんな状態にあっても心を乱されたり不安になったりしないほどに満ち足りている」ということだ。それは私たちの救い主イエス・キリストの中にあってあたえられる霊魂の姿だ。もちろんその根拠は、キリストの恵みであり神の救いを受けた人たちは感謝をもって主におこたえしてゆくのである。

 心理学者は現代人の不安を分析して三つの原因をあげている。一、仕事のつめこみすぎ。二、無理をして出世をのぞむ。三、住居の移動(米国では五年間で七千五百万人が転居をしたという)。 

  (「勝利への道」シリーズ終わり)
 

◎ 暗誦聖句  黙示録三章一二節A
われ勝を得る者を我が神の聖所の柱とせん。
              


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