◆パウロの生涯(四一) 先週に続いてアクラとプリスキラについて考えてみよう。
誰かと話をするとき私たちは自分でも気がつかないうちに頭の中が整理されたり、興奮がおさまったりする。話しているうちに心が燃えることもある。アクラとプリスキラに福音宣教の体験談を語ったパウロもそうであったかもしれない。パウロと協力をしたほどの夫婦であるから信仰面でも教理の理解においてもすぐれていたようだ。パウロの感化であったかもしれないが、後に若い伝道者を教えるようにもなった。 時にアレキサンドリヤ生れのユダヤ人にて聖書に通 達したるアポロという能弁なる者エペソに下る。 この人はさきに主の道を教えられ、ただヨハネのバプテスマを知るのみなれど、熱心にして詳細にイエスのことを語り、かつ教えたり。かれ会堂にて臆せずして語り始めしを、プリスキラとアクラと聞きいて之を迎え入れ、なおも詳細に神の道を解き明せり。 使徒行伝一八章二四〜二六節 イエス様の近くでみ言葉に耳を傾けたマリヤのごとくアクラとプリスキラは他の人たちが味わえない祝福にあずかったであろう。かつて心理学者が言ったように、 「人は出会ったすべての人の一部である」 ということを考えるなら、人の出会いを大切にしなければと思う。 コリント前書一六章一九節をみると、この夫婦の献身ぶりが目にうかぶようである。自分たちの家を解放して周辺の人たちに福音を語り続けた。
アジアの諸教会なんじらに安否を問う。アクラとプリスキラ及びその家の教会、主にありてねんごろに汝らに安否を問う。 クリスチャンの祝福は、まず神様を第一とする生き方からはじまる。キリストを中心とした家庭、祈りと学び、救霊の熱情などが幸福な家庭を築く土台となる。
使徒パウロ自身は結婚をしていないが、その書簡には夫婦のこと、家庭のことなど多く書かれている。アクラとプリスキラの家庭生活から多くを観察し、あるいは周辺の人たちの相談ごとからヒントを得たのかもしれない。
偉大な宣教師の背後には、絶えずとりなす人の祈りがあり、勇者の背後には心やさしい人たちの気づかいがあったことを思おうではないか。 さて、私たちには何ができるだろうか。 ( 続 く ) ◎ 暗誦聖句 テモテ後書一章一三節 汝キリスト・イエスにある信仰と愛とをもて、我より聞きし健全なる言の模範を保て。 |