◆パウロの生涯(四九)
               
   習志野バプテスト教会週報 
   二〇〇二年四月七日号 
   ▽生きた証人として立とう
 
 而(しか)して神はパウロの手によりて世の常ならぬ能力(ちから)あるわざを行いたもう。即ち人人かれの身より或いは手ぬぐい或いは前だれをとりて病める者に着くれば、病いは去り悪霊は出でたり=@        使徒行伝一九章一一、一二節 
 現代人はどれほど科学的に考え、精神衛生に心を使っているだろうか。毎日の新聞やテレビを見ると、二千年前の人と大して変わっていない感じがする。 
 たしかに人類は過去百年の間にめざましい発明や発見をしたし、夢想もしなかったような機械類の進化をみている。あの巨大な鉄が多くの人間や荷物をのせて大空を飛び、地球の引力のとどかない宇宙へ遊泳する人の姿を使徒パウロは想像したであろうか。 
 物質世界やミクロ、マクロの領域に及ぶ人類の理解はおどろくばかりだ。今や人間の誕生にいたるまで試験管の中でつくられる時代である。ところが人間そのものの持つ心の思いや、霊の世界となると全くのお手上げである。はっきりわかることは、人間は昔も今も変わらず、罪の性質によってうごかされているということである。科学や文化の発達と同じように人間の心が進化、発達したかというと全く逆で、むしろ退化、あるいは、ますます悪くなったといえるであろう。 
 人間の手による機械は複雑になり、知識がないと何一つ動かせない。人間の心は、人をのろい、憎み、ねたみ、怒り、不安をおぼえても、それを完全に制御することが出来ず、未知の領域が多い。 
 夜のゴールデンタイムといわれる時間帯に、今なお、テレビで神秘主義や霊媒がはばをきかせて放映される。 
 悪霊の存在や働きを無視するとどうなるだろうか。悪魔が一番よろこぶであろう。「宗教はアヘンなり」と言った人物がいるが、私たちは「ゆうれいごっこ」をやった子供時代を思いおこす。 
 テレビや映画で演出される怨霊の世界は、たしかな分別と知識をもたない多くの日本人を不安におとしいれている。現在のブームにのった、あるいはつくったのか霊媒関連の作り話と占いブームではなかろうか。こうした出版物、映像制作者は人人を不安にしたり心の病いを増長させている責任を感じるべきではないだろうか。 
 つい先頃の日曜午後、教会に中学生の女子が、「十字架のまわりに恐ろしい霊の力が働いているから私に追いはらわせてほしい」とたずねてきた。彼女は祖母の代から陰陽道を学んでいるといい、眼は尋常ではなかった。霊を見分ける力を神様からいただこう(ヨハネ第一、四章一〜三節)。  
◎ 暗誦聖句 ヨハネ伝一六章二四節汝ら今までは何をも我が名によりて求めたることなし。求めよ、さらば受けん、而(しか)して汝らの喜悦みたさるべし
 

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