◆ ロマ書の学び(69)

        習志野バプテスト教会週報
         二〇〇四年一〇月三日号
         ▽ 神との平和

 聖書を順番に一言(ひとこと)一言勉強していく説教のやり方は講解説教といい、最も大切な説教のタイプである。説教のタイプには「政治」、「恋愛」、「死」、「天国」といったテーマ(主題)説教もある。また、聖書の一部分をとってそこからお話をするやり方もある。

 そういう説教は「ちょうど私が必要としていたメッセージ」とぴったり合う場合は良いが、「これはあの人に聞かせたい話だ」というのが往々にしてある。順を追って勉強する説教、その中に入っている御言葉からその奥行きの深さを探り、御言葉をしっかり勉強していくやり方は教会建設に絶対必要な礼拝メッセージの学び方であるといわれている。

読書百遍意おのずから通(つう)ず≠ニいう言葉がある。ローマ人への手紙は聖書の教える、キリスト教とは何かを端的に使徒パウロが書いた書簡といわれている。指輪で考えるなら、指輪のダイヤモンドがロマ書であると言われるくらい、ロマ書は大事である。

 ロマ書は、さっと読んだときには分かり易い、分かったと思い易いが、実は大変難しい。私は、ロマ書を日本の神学校で勉強したが、ほとんどその内容について納得というところまで行かなかった。私がアメリカに勉強に行くきっかけとなった理由の一つには、やはりロマ書をもっと理解したいという思いがあった。内村鑑三氏が書いた『ローマ人への手紙の研究』とか多くの学者が書いた注解書がある。

 私は若い頃、内村氏の書いたロマ書の講解説教を読んだ。その本は、毎週東京で行われた連続講解説教をまとめたものであるが、宮内庁の役人ほか大勢の役人が聞きに来たほどの名説教といわれている。しかし、その本の中にあるのは強いナショナリズムであった。そのために、私は聖書自体を勉強したくて色々な参考書を読みあさった。けれども読めば読むほど難しい書簡である。そこでアメリカの大学では、選択できるコースの一番にロマ書をとった。

 塗れ紙をはがすように≠ニいう言葉がある。私はロマ書の講義を大学院で勉強して「このことだったのか」と毎時間胸躍る想いで勉強した。ロマ書の講義をなさった教授はクルシュという方で、プリンストン大学で勉強なさり、さらにいくつかの大学で研究なさった学究肌の先生であったが非常に分かりやすくロマ書を教えて下さった。

 習志野バプテスト教会を一九六三年に開拓し始めた時、水曜日の祈祷会で最初に勉強したのがロマ書で、このロマ書の勉強を通じて大学生が献身、伝道者となられた。                   (続く)

◎ 暗誦聖句  使徒行伝一六章一八節


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