◆ ロマ書の学び(70)
皆さんがローマ人への手紙を繰り返しお読みになる時、初めは何のことか分らなくても結構。二〇回、五〇回、一〇〇回と読んでいくうちに使徒パウロが言わんとする中心的なことが何か、だんだん分ってくる。 これまで繰り返し申し上げてきたロマ書の三大テーマは何かと言うならば、罪を抱えた私たち人間がイエス様を心にお迎えし、イエス・キリストの十字架を見上げることによって神様に罪を許され、一度も罪を犯したことがないとみなされる「義認(ぎにん)」ということである。 二番目はイエス様を見上げて毎日聖書のみ言葉の中に生きていくときに、私たちは自分の努力ではなくして神様のみ言葉によって日々新しく変えられていく、清く変えられていく「聖化(せいか)」ということがある。この地上にあって私たちはどんなに自分の力で努力しても、完璧な人間、聖人になることは出来ない。「あの人は本当に何の欠点もない」と言われることはあり得ない。 私たちの目指すところは天のみ国である。神様がご臨在なさる天のみ国に行く時、私たちは地上における罪汚れが全く奇麗にされて救いの完成を頂く。イエス・キリストのお姿に似せられ、栄光の姿に変えられることから、「義認」「聖化」「栄化」と、この三つがロマ書の三大テーマとなる。ロマ書の勉強をするときはこのことを心に留めていただきたい。 十字架によって私たちは救われ、罪汚れから洗い清められる。そして毎日聖書を読むことによって、私たちは神様のみ言葉により知らず知らず清められ、イエス・キリストのお姿に似せられていく。私たちの目標は有名な伝道者に似るとか、あるいは牧師の姿に似るとか宣教師の姿に似ることではない。私たちは、「主イエス・キリストのお姿に似る」ということが最大の眼目であることを覚えてほしい。そして私たちが望むところは栄光のみ国であることを心に留めていただきたいと思う。 私たちは今、五章一節から、神に対して平和を得たり≠ニいう「神との平和」というテーマで勉強している。今日特に皆さんに覚えていただきたい言葉は三つの文字である。あいうえおの中の「ま」「し」「て」である。英語ではHow much more≠ナあり、「いわんや」とか「まして」、「これまであるものよりもっと大きな」ということである。より豊かに、より大きく、あるいはもっと加えて、ということである。聖句の引用が出ているコンコーダンスという本があるが、これを見るとmuch more≠ニいう言葉が一番多く出ているのがロマ書五章なのだ。 (続く)
◎暗誦聖句 ゼカリヤ書四章六節 |