◆ ロマ書の学び(132)

        習志野バプテスト教会週報
         二〇〇六年二月二六日号
         ▽ み言葉に生きる

 

 私は以前、『主の剣(つるぎ)』という英字週刊誌に出ていた本を買い、「自分の居場所がない」というあせりと不安、そして自責の念にかられたことがある。その本は『クリスチャンが犯す罪の数々("Sins of Christian")』という、通常の本屋では売れそうもない大変恐ろしいタイトルだった。

 私たちは、クリスチャンは罪を犯さなくなると考える。ところが、聖書を信じるクリスチャンでも、罪が根こそぎになっていない、ということがその本の中にはっきりと書かれている。私たちは、罪とか穢(けが)れというと男の人だけが犯す恐ろしい罪だけを考えてしまう。確かに日本でも、打つ、買う、何とかと言ってバクチだとか女性をあさる(、、、)だとか金儲けに奔走するということで、男性の典型的なけがれた状態というものが現わされる。しかし、聖書の神様のみ言葉は、男性の罪だけでなく女性の罪も細かくあぶり出す。

 子供の頃、ミカンの汁で白い紙に絵や字を描いた。見た目には分らないが、火にかざすとやがてじわーっと薄茶色に描いたものが出てくる。同じことが私たちの生活にいえるのではないだろうか。日頃、私たちは何の変哲もないごく当たり前の生活をしているように見える。しかし、一旦自分の生活に経済的な必要が起こったり、あるいは試みが来ると、やがて内側にあるものがあぶり出されてきて、それが外にでてくる。匂いを発する、また、自分の心の中にある悪い思いというものがはっきりと人前に絵となって出てくる。

 以前、腰の治療のリハビリに行っていた。赤外線を当ててかなり汗をかいた時、医者に「丸山さん、ビタミン剤を飲んでいますか」と聞かれた。「ビタミン剤の匂いに似ています。実は私も疲れると飲むのです。」と言うのだ。私は、にんにくとかキムチを食べる時には、匂いを気にするのだが、まさかビタミン剤の匂いが汗でたち込めるとは考えなかった。ビタミン剤は汗をかくと強烈に匂うらしい。確かにアメリカのも日本のもビタミン剤は強い匂いがする。家族が、ビタミン剤をそこに置かないで、と言うくらい匂う。クリスチャンの罪、心の中のけがれもそうかな、と思う。

 その本は、これでもか、これでもかというくらい、男性の犯す罪、女性の持つ罪を炙(あぶ)り出し、とても一気に読むことが出来ないくらい責められる本であった。牧師の犯す罪、伝道者・宣教師の犯す罪、一般信者の犯す罪を一つ一つ取り上げていた。   

    (続く)


◎ 暗誦聖句  ピリピ書一章三〇節

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