◆ ロマ書の学び(159)
このロマ書で大事なことは「神様のご計画」という事である。神様は、現在の皆さんに対してだけでなくして、将来、永遠という形において私達一人一人を扱って下さる。神様は今の必要のために皆さんをお造りになったのではない。これから先ずっと永遠に至(いた)るところの世界に、大きな目的を持って私達をそれぞれお救い下さった。その目的とは何か?御子イエス・キリストのお姿に象(かたど)らせ、似せようとしてお憐れみ下さったというのである。皆さんの自分で描いた自画像、自分の将来に対する理想像ではなく、神様は私達一人一人をイエス・キリストのお姿に似るようにとお選びになったのである。 それゆえ、皆さんが経験してきた様々な痛みや悲しみの経験は、皆さんにとって利益というよりも、イエス・キリストのお姿に似るための永遠の目的の中にあっての経験であるのだ。私達はそこのところで間違えてしまい、自分にとってこの経験は大変すばらしい経験だと考えやすい。目に見える利益ということだけでなく、今辛い経験であっても、「これは神様の永遠の目的のために私がそこで使われているのだ。イエス様のお姿に似る者になるために神様が下さった大変大切な訓練なのだ。」と、受け止めていく事が非常に大事である。 C・スポルジョンは若くして伝道を始めた時、健康状態が大変悪くなって、寝たり起きたりという状態が続いた。彼は気が狂うほどに精神的なストレスを感じた。そして肉体の痛み、病との闘いにおいて自分はもう立つ事ができないというような苦しみを味わったという。 そんなスポルジョンが、疲れ果てた姿で講壇に立った時、後ろのほうで一生懸命話を聞いていた男性が、集会の後「先生、お話したいです。」と言って来た。「私が苦しんできた痛み、悲しみは、どんなに説明しても他の牧師には理解できないでしょう。けれどもスポルジョン先生、あなたなら私の苦しみを理解できます。」
(続く) |