◆ ロマ書の学び(163)

        習志野バプテスト教会週報
         二〇〇六年一〇月二二日号
         ▽ み言葉に生きる


 アメリカの大変有名な伝道者に、ジョージ・w・トゥルーエットという先生がいた。トゥルーエット博士は若い頃、猟に行くのが大変好きで、牧会をしながらお友達と鉄砲を持っては猟に行ったようである。日本では鉄砲を持って猟に行くというのは、とてつもない冒険のように思えるが、アメリカでは現在でも多くの市民が鉄砲を持っている。

 アメリカは広い国なので防犯のため、自分で自分を守るために、私の友達も含めずいぶん多くの人が鉄砲を持っている。トゥルーエット博士は若い頃猟に行き、友達と銃を点検していた時、その銃が暴発して側にいた大変仲の良い友達を撃ってしまった。撃ったというか、その弾で友達は大怪我をしてしまった。その友達というのは警察の巡査長で、教会員みんなで、一生懸命その巡査長の命が助かるように祈った。断食をしながら、トゥルーエット博士とその教会員みんなで「神様どうか、あの人を助けてください!」と祈った。しかし、この巡査長は大きな痛みと苦しみのうちに亡くなってしまった。

 トゥルーエット博士はそれから家に閉じこもって、聖書を読み、食事ものどを通らず神様に祈り続けた。奥さんに、「もう牧会できない。私は親友を死なせてしまった。私はとてももう講壇に立つことはできない。」と話した。苦しみ、悩み、そして神様に祈り続けた。トゥルーエット博士が聖書を読むたびに、「わが時は 汝の御手の内にあり」 という詩篇の言葉(三一・一五)を繰り返し言った。伝道者はどんなに自分の心に戦いが起こっても、日曜日が来ると講壇に立たなければならない。

 土曜日の晩、彼は「私はとても立つことができない。」と、思っていた。床(とこ)につくと彼はビジョンを見たというのだ。「あなたは私のために働きなさい。あなたは私のために働きなさい。」というイエス様の言葉を聞いたような感じがした。あまりにもそのビジョンがはっきりとしていたため、奥さんを起こして「私は今、こういうビジョンを神様からいただいたんだ。『あなたは私のために働け』と言われた。」と、説明した。そしてまた床に着いてしばらくすると、「あなたは私のために働きなさい。」という同じビジョンを見た。彼はどうしてこんな夢を見るのかなと思ったが、さらに明け方、もう一度同じビジョンを見た。

 このトゥルーエット博士の経験は、後に義理の息子である人が、博士の伝記を書く時に初めて公にしたと言われている。長い間、彼の苦しい戦いの事は誰も知らなかった。

       (続く)


◎ 暗誦聖句 テサロニケ前書三章一〇節後半
汝らの信仰の足らぬ所を補はんこととを切(せつ)に願う =@

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