◆ ロマ書の学び(199)

        習志野バプテスト教会週報
         二〇〇七年七月二二日号
         ▽ み言葉に生きる

 

 私たちは日本であまりにも平和な生活を送っているために、愛を表していないのである。使徒パウロは、我が兄弟わが骨肉の為(ため)にならんには、我みづから呪(のろ)われてキリストに棄(す)てらるるもまたねがう所なり。≠ニ言った。

 私たちが聖書の勉強をするときに、時々、ロバート・マックシェインという伝道者の注解書を見ることがある。

 今から百数十年前にスコットランドに住んでいた伝道者だ。ディヴィッドとロバートという兄弟がいた。二人共、大変頭のいい兄弟であったが、弟のロバートは、霊的な事に関してあまり関心がなかった。お兄さんのディヴィッドは健康があまり優(すぐ)れなかったが毎日、家事を手伝ったり、一生懸命聖書を読んだりしていた。弟のロバートはお兄さんが熱心になればなるほど、反発を感じた。

 ある日、弟のロバートが家に帰って来るとお兄さんが部屋で、一生懸命「神様どうか、弟ロバートを救ってください。」と祈っていた。ロバートは「兄貴(あにき)、なんだ、しんきくさい。僕はそんなに悪い人間かね。」とせせら笑ってその場を立ち去った。

 弟のロバート青年はやがて、エジンバラ大学に入学した。彼は外国語、あるいは絵画、音楽、詩など情緒関係の学科で大変優秀な成績を収(おさ)め、数多くの賞を取った。家の方ではお兄さんの、ディヴィッドが毎日弟ロバートのために祈っていた。やがてこの弟のロバートは神様の憐憫(あわれみ)のうちにイエス様を信じ救われたのである。救われてから彼は、二三歳でセント・ピーターズ・チャーチで牧会を引き受けた。この教会の会員は四〇〇〇人いたそうである。このロバート・マックシェイン氏は一八三六〜一八四三年まで七年間、説教を続けた。

 近隣のあちらこちらからロバート・マックシェイン氏の説教を聞きたいと集まって来たそうである。彼は三〇歳にして激(はげ)しい咳(せき)に悩まされた。もう四六時中、咳が出てどうしようもない、体力が消耗し、彼は七年の牧会生活で天に召された。兄のデービッド氏の方は先に召されてしまっていたが、ロバート・マックシェインのために、兄は篤(あつ)い祈りをささげ、彼が教会を牧会していたときも毎日祈って、執(と)り成しをしたという。

 年月を経(へ)た今も、このロバート・マックシェインの説教書を読むと、私たちの心はふるえる。一人のお兄さんの祈りが、不信仰でどうしようもなかった弟の生活を変え、神様の救いへと導いたのである。

 皆さんの日々の生活が、祈りの生活が、あなたのご主人や家族を、そして家庭をイエス・キリストへ導くきっかけとなるかもしれない。出来たらいいと思うが、私たちは自分の力で誰かを救うことは出来ない。
                     (続く)

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