◆ ロマ書の学び(233)

        習志野バプテスト教会週報
         二〇〇八年四月二〇日号
         ▽ み言葉に生きる

 

  神様の御言葉によって、育(はぐ)くまれていく時に、人間は変わるのである。

 過去のことばかり話して申し訳ないが、年を重ねると過去のことしか言えないみたいである。私は渡米し二年の学びを終えて帰国する時(一九六三年)、船上で美術館の専門員と出会った。この人が大変面白いことを話してくれた。どの国に行ってもその国特有のにおいがあるという。ヨーロッパに行くとヨーロッパの、日本には日本のにおいがあり、アメリカにはアメリカのにおいがある、と言うのである。確かに冬、韓国ソウルの飛行場内に入ると、ふあーっと、キムチのすごいにおいがする。

 私が船でロス・アンジェルスに着くと、街中ものすごく魚くさいので、「あれえ。ずいぶん臭(くさ)いところだなあ。」と思ったものである。ロス・アンジェルスには特殊なにおいがある。また、ギリシャとかヨーロッパに行くと、レモンの香りがしていたり、あるいはオリーブオイルの香りがしたりということがある。

 アテネの近くで食事の合間にちょっと町を歩いていたら、緑の樹があって、そこにたくさん黄色の実がなっていた。私はオレンジかな、と思って取ろうとした。しかし、人のものをとってはいけないと思い、ちょっと見まわして、誰かに聞いてみようと思っていると、そこへ土地の人が来た。「あなた、それはとっても食べれないよ。」と言うのだ。「すっぱくて、すっぱくて食べられたもんじゃないよ。」と。レモンのような柑橘類(かんきつるい)のにおいがした。街中に、すごくいい香りが漂(ただよ)っていた。

 で、この美術館員は私にこう言った。「あなたは、アメリカ人のにおいを知っている?」「特別に考えたことないですけれども。」「そうでしょう。私は世界各国を歩いているからわかります。アメリカ人の周りに行くと肉のにおいがする。」「へえ?」その理由は、アメリカ人は朝から晩まで肉を食べているから血のにおい、肉のにおいがするというものであった。びっくりした。

 「それじゃ、私たち日本人はどういうにおいがするんですか?」「日本人はね、ちょっと魚と、青臭いにおいがする。」それ以上私は聞かなかった。

 なるほど、私たちがアメリカに行って日本食を食べていると、アメリカ人が「あー、臭(くさ)い。臭い。」と言う。特に日本の味噌汁に。

 私達は神のみ言葉に育(はぐく)まれている者として、キリストの香(こう)ばしい香りを放(はな)っているだろうか。私達の生活を見て他の人はキリストを見ることが出来るだろうか。(続)

 


◎ 暗誦聖句 ダニエル書一章八節 

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