◆ ロマ書の学び(240)

        習志野バプテスト教会週報
         二〇〇八年六月八日号
         ▽ み言葉に生きる

 

   アメリカで南北戦争があった。奴隷制度の存続をめぐって北と南に分かれて激しい戦いを行った。北軍が勝って、南の連合軍が破れた。リンカーン大統領は「全ての黒人、奴隷とされている黒人を自由にする」という署名をした。長い間、奴隷制度の中にあって、金儲けをしてきた人々は奴隷を失うことになった。

   皆さんもたぶん若い頃に『アンクル・トムの小屋』という有名な、牧師の書いた物語をお読みになったと思う。『アンクル・トムの小屋』という小説が、多くのアメリカ人に、奴隷制度が良くないということを啓蒙したと言われる。私も若い頃『アンクル・トムの小屋』を英語で読み、感銘を受けた。奴隷の状態にあった人でも、大統領が署名をした結果、自由の身になった。「奴隷解放宣言」により、これまで奴隷だった者が鎖を解かれ、全く自由になったと人々は大喜びした。

   しかし、ある奴隷達は「そんな馬鹿なことがあるわけない。自分達はこれまで長い間、奴隷としてこき使われ、食べる物もあるか無しかという状態で苦しんできた。一生自分達は奴隷として過ごさなければならないだろう。」と言って、奴隷解放の宣言を信じなかった。やがて、回りの奴隷がどんどん自由になっていく姿を見て、奴隷解放宣言というのは本当なのかもしれないと思いだすのである。

   奴隷解放という宣言が出された時、奴隷の状態にあった人達が、自分で何かをして奴隷解放を勝ち取ったわけではない。多くのアメリカ人が血を流して、そして自分達全ての人間は平等である、すべての人が、自由を満喫しなくてはいけないと、立ち上がってくれたわけである。

   大事な点は、奴隷だった人々が、自由になったという事を信じてその通りに行動するかどうかであった。

   信仰も同じである。神様に対するあなたの不従順、不信仰、あるいは生活の中に起こってくる様々な不道徳な状態も、全ての罪けがれもイエス・キリストが背負って下さった。あなたは何もしないのに、ただ、イエス・キリストを信じることによって、救われるのである。イエス様があなたの代わりに十字架について下さったことを『聖書』を通して確認し、「神様、もしそれが本当であるなら、私はそれを信じ受け入れたいです。従いたいです。」と言って、感謝をしてイエス・キリストの十字架を仰ぎ見るならば、あなたの罪けがれは赦(ゆる)され、救われるのである。これが福音である。私たちの側で何一つしていない。ただ、十字架を見上げて、イエス・キリストを信じることによって、救われるのである。(続く)

 

 


◎ 暗誦聖句 詩篇二三篇一節

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