◆ 子供の幸福とは(二)

             一九九七年十一月十六日号

              ▽この世と妥協するな
              ▽真理に従えば力がある

 日本で離婚の原因となる最も多い理由は、夫の思いやりのなさだという。おもしろいことに、父の日の新聞には、N生保の調査結果として、父親が育てたいと考えている子供像は、「思いやりのあるやさしい子」が一番多かったそうだ。

 思いやりとは何だろうか。常用国語辞典では、「同情」としか書かれていない。だが私たちが日常使う意味はもっと巾が広いのではないだろうか。相手の立場や必要を理解しようと努力し、気をくばることでもあろう。マタイ伝七章十二節には

さらば凡て人にせられんと思うことは、人にもまたその如くせよ

という主イエスのお言葉が記されている。自分中心の世の中でこれは大変むずかしいことだと言う人が多い。朝電車に乗るのにゆずってばかりいたのでは時間におくれてしまう。だからその教えは昔の生活にはよいが現代にはマッチしないのだという人もいる。この言い分は教えの適応がまちがっているのである。使徒パウロが教えている健全な常識をもってTPO(時、所、状況)を判断しなければならない。

 人間は本能として恐れと怒りを持つが、愛は生まれつきのものではないと心理学者は言う。だとすると、子供は誰に、どこで、愛ということを学び身につけていくのだろう。

 日本の子供の半数近くが学校へ行きたくないと思ったことがあり、その三八%が「いじめられるから」と答えたそうだ。

 いじめるということは愛することの反対である。学校の先生は子供たち一人一人に愛を示せるだろうか。すぐれた教師であっても全員公平にというわけにはいかない。もちろん、社会に出てから、あるいは結婚をしてからというのではおそすぎる。

 家庭において父親や母親が子供に愛を示し、思いやりとは何かということを身をもって教えなければならないわけだ。両親が夫々に自己中心であったらどんな子供が出来るだろうか。

 まずお父さんお母さんが、本当の愛を神様から教えられ、受け入れられてよろこびを味わうことが先決ではないだろうか。子供はその時から幸福を体験できるようになる。

〈聖書の教え〉 箴言より

子をその道に従いて教えよ、さらば老いたる時も之をはなれじ=i二二・六)

おのれの父をあざけり、母に従うことをいやしとする眼は、谷のからす、これをぬきいだし、わしの子これを食らわん=i三十・十七)

……ただエホバをおそるる女はほめられん

               (三一・三十)

◎ 暗誦聖句   黙示録 二章十九節前半

われ汝の行為および汝の愛と信仰とつとめと忍耐とを知る


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